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展覧会名|YOU LEFT ME BREATHING
会期|2024年6月28日(金)-7月28日(日)
会場|POOL SIDE GALLERY(〒920-0962 石川県金沢市広坂1丁目2-32 北山堂ビル2F)
開廊日|金土日開廊
開場時間|12:00-18:00
主催|POOL SIDE GALLERY
協力|Sansiao Gallery, FINCH ARTS
ウェブサイト|https://poolsidegallery.jp
アーティスト|トレイシー・エミン、みょうじなまえ、高松次郎、神馬啓佑、リチャード・プリンス、熊谷卓哉
この度POOL SIDE GALLERYでは、2024年6月28日(金)から7月28日(日)にかけて、展覧会「YOU LEFT ME BREATHING」を開催いたします。
本展では現代作家と彼/彼女らのインスピレーションの一つとなった作家の作品を対応する形で展示し、芸術史の非連続的な連なりや、それぞれの作品に潜在するモチーフを概観します。タイトルの「YOU LEFT ME BREATHING」はTracey Emin(トレイシー・エミン)のガゴシアン・ギャラリー2007年初個展のタイトルの引用であり、虐待され、半死半生でありながらまだ息をしている女性、あるいは愛を交わした後に息も絶え絶えになった女性という、二重の、ある種の曖昧さを担保したものです。YOU LEFT ME BREATHING(あなたは私の息の根を止めた/私を息づかせた)。現代に生きる作家の誰しもが、芸術史上の原点や数多くの創造的な出会いを持ち、それは彼/彼女らの息の根を止めると同時に、息づかせたものでもあるでしょう。” 英雄のいない時代は不幸だが、英雄を必要とする時代はもっと不幸だ” というベルトルト・ブレヒトの戯曲『ガリレイの生涯』の有名な一説を思い起こしますが、本展は、現代美術を少なからず必要とした彼/彼女ら、そして私たちのための企画となります。どうぞご高覧ください。
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アーティスト
Tracey Emin《Retire Slowly》2006, 75.2 x 106.4 cm, Prints and multiples, Monoprint
トレイシー・エミン(Tracey Emin)
1963年ロンドン生まれ。1986年メイドストーン・カレッジ・オブ・アートで版画とファッションを学び、1989年ロイヤル・カレッジ・オブ・アートを絵画専攻で修了。1980年代後半に台頭したYBAs(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)の中心的メンバーとして活躍する。絵画、ビデオ、写真、インスタレーション、刺繍、版画、ネオン作品など多様なメディアを用い、自己言及的なディティールを掘り下げた詩的かつ、センセーショナルな表現を特徴とする。1999年「My Bed」がターナー賞候補に。2007年には第57回ヴェネチア・ビエンナーレにおいてイギリス代表作家を務めた。2013年にはCBE(大英帝国勲章)を受勲。またロイヤル・カレッジ・オブ・アートの歴史上初めての女性教授としても知られる。
みょうじなまえ《バベルとユートピア》2023, 450 × 600 × 600 cm, ミクストメディア
Photo by TADA(YUKAI), Courtesy of SPIRAL/Wacoal Art Center
みょうじなまえ(Namae Myoji)
1987年生まれ、兵庫県出身。東京藝術大学絵画科油画専攻を卒業。 自身のこれまでの体験を契機に、女性の身体、性、アイデンティティとその消費をめぐる問題を扱う。作品制作を通して、人間はコミュニティの中でどのようにして作られていくのか、私たちのアイデンティティを形成しているものは何か、そしてそこから生まれる歪みに関する事柄を、社会と自分自身へ問いかけ続けている。主な展覧会に24年 個展「I’ll give you a name」(N project、大阪)、23年「ATAMI ART GRANT 2023」(熱海)、「SICF23 Exhibition部門グランプリ展 バベルとユートピア」(スパイラル)、22年「CAF賞2022」(代官山ヒルサイドテラス)、「六甲ミーツアート芸術散歩2022」(六甲山)など。
高松次郎《Shadow #356》1972, 33.3 × 24.0 × 7.8 cm, oil on wood, hook 個人蔵
高松次郎(Jiro Takamatsu)
1936年東京都生まれ。東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻。1958年「第10回読売アンデパンダン展」(東京都美術館)に作品を出品。以降数回にわたり同展に参加する。大学卒業後、一般企業に就職してインダストリアルデザイナーとして働く傍ら作品を制作。1962年、中西夏之らとハプニング《山手線事件》を山手線車両およびホームで決行。翌1963年、赤瀬川原平、中西夏之とハイレッド・センターを結成する。1964年、代表作となるシリーズ《影》の制作を開始、個人名義で発表する。その後、絵画の形式を持つものや、彫刻に似た立体物、文字を用いた版画や写真など、様々な分野にわたった作品を制作する。1968年の第34回ヴェネチア・ビエンナーレ、1970年の第10回日本国際美術展(東京ビエンナーレ)「人間と物質」、1977年のドクメンタ6に参加など、世界中で活動を行う。1973年頃から平面作品を中心に手がけた。1998年没。2024年ペース・ギャラリーが高松次郎作品の取り扱いを発表し、同年6月13日からアート・バーゼルで個展を開催した。
神馬啓佑《鑑賞者/干渉者》2018, 33.3 x 45.5 x 2.0 cm, Acrylic on canvas
神馬啓佑(Keisuke Jinba)
1985年愛知県生まれ 兵庫県育ち、京都市在住。2011 京都造形芸術大学大学院 芸術研究科表現専攻 修了。主な展示に、「じゃがいもがポテトになる時」(VOU、京都、2022年)、《当然の結末#8 (西賀茂、マザッチオ「楽園追放」》「THE ヨエロ寸 -尋-」(VOU、京都、2021年)、「当然の結末#6(共同住宅、個人的体験)」(LEESAYA、東京、2019年)、「当然の結末#2(鑑賞と干渉、言語能力、円周軌道)」(gallery parc、京都、2018年)、「なまの記号たち -ポートレイトの現在形-」(シャトー小金井2F、東京、2017年)、「VOCA展2016」(上野の森美術館、東京、2016年)など。
Richard Prince《Untitled (Cowboy) 》2016, 84.1 x 59.4 cm, Poster 個人蔵
リチャード・プリンス(Richard Prince)
1949年パナマ運河地帯生まれ。ニューヨークを拠点に活動。1970年代後半にタイムライフ(Time-Life)社に勤務し、雑誌の切り抜きなどを使った制作を開始する。1980年よりカウボーイが馬に乗って荒野を駆ける、タバコの広告写真を引用した「カウボーイ」シリーズ(〜1992)を発表。撮影者のクレジットが記載されない広告のイメージを再撮影し、作品化した写真シリーズで注目される。2000年台には恋愛ものの大衆小説に着想を得た「ナース・ペインティング」シリーズ(2002〜06)を発表し、アプロプリエーション・アートを代表する作家のひとりととされる。主な展覧会に、国立現代美術センター (1988年・フランス、グルノーブル)、ホイットニー美術館 (1992年・ニューヨーク)、ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館 (1993年・オランダ、ロッテルダム)、サンフランシスコ近代美術館 (1993年)、グッゲンハイム美術館 (2007年、ニューヨーク)、サーペンタイン・ギャラリー (2008年・ロンドン)、クンストハウス・ブレゲンツ (2014年・オーストリア) など。 サンパウロ・ビエンナーレ (1983年)、ホイットニー・ビエンナーレ (1985年、2004年)、ヴェネチア・ビエンナーレ (1988年、2003年)といった国際展にも多数参加。
熊谷卓哉《Project for Public Sculpture》2022, サイズ可変, Movie
熊谷卓哉 (Takuya Kumagai)
1987年生まれ 。2012年武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業。日々目にするモノや場、行為などを公/私それぞれの視点で収集し、「彫刻」として並べ置く。自身の作品制作や展示に加え、企画・キュレーション等を通し、「彫刻」と呼びうる条件を探りながら、公と私の併存を模索する。近年は主に3DCGや3Dプリンター等で制作された立体や映像、仮想空間といったデジタルメディアを用いながら彫刻表現の新たな可能性を提示しようと試みている。近年の個展に、「BANK ART UNDER 35 2022」(BANK ART KAIKO、神奈川、2022)、「Sea Change」(武蔵野美術大学 gFAL、東京、2021)、グループ展に、「おまえのための///」(堀川新文化ビルヂング NEUTRAL、京都、2024)「Slow Culture #kogei」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、京都、2023)、「問題のシンボライズ ー彫刻・身体・男性性ー」(HOTEL ANTEROOM GALLERY 9.5、京都、2022)など。
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