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展覧会「呼吸について」

  • FINCH ARTS
  • 6月28日
  • 読了時間: 5分

Design by 西頭慶恭


展覧会名|呼吸について

会期|2025年7月11日(金)- 8月10日(日)

会場|POOL SIDE GALLERY(〒920-0962 石川県金沢市広坂1丁目2−32 北山堂ビル2F)

休廊日|会期中の月-木曜日

開場時間|12:00-18:00

主催|POOL SIDE GALLERY

企画|FINCH ARTS

協力|EUKARYOTE、TEZUKAYAMA GALLERY、WAITINGROOM、

アーティスト|伊東宣明、今尾拓真、寺澤季恵、Li Binyuan(リ・ビンユアン)


この度FINCH ARTS / POOL SIDE GALLERYは2025年7月11日(金)から8月10日(日)にかけて、展覧会「呼吸について」を開催いたします。


呼吸は、最も根源的な運動であると同時に最も無意識な運動である。私たちは呼吸をしながら生命を保っているが、そのことを意識する時間はあまりに短く、気づいたときにはすでに次の呼吸へと移行している。吸って、吐いて、また吸う。呼吸は他者と交わることなく進行し、空気という共通の媒体を通して、すべての生命とつながっている。


それは、都市の喧騒で揺れる構造物の振動であり、都市そのものの新陳代謝であり、ガラスという媒体を通して伝わる熱であり、そして時代を超えて存在する誰かの気配でもある。


同時に動物における呼吸とは、酸素と二酸化炭素を交換するガス交換の営みであり、細胞内で有機物を分解してエネルギー(ATP)を生み出す化学反応のための前提条件でもある。わたしたちの身体が絶えず外部とつながり、世界との物質的なやりとりの中で動作していることの証であり、身体の内部で起きる不可視の変化は、社会的な関係性や環境との相互依存の縮図でもある。そしてそれは、自己と他者、生と死の境界を曖昧にする、静かな交信の形式でもある。


本展では、伊東宣明、今尾拓真、寺澤季恵、Li Binyuanの4名のアーティストの作品によって、抽象的な意味における「呼吸」というシステムに潜む現象や関係性をとらえてみたい。ここでは「呼吸すること」は単なる生命維持の動作ではなく、空間や他者、社会との相互作用を立ち上げるための装置となるはずだ。


身体と環境、素材と空間、公共と私的、歴史と現在。そのあいだに生成する微細なズレや振動=呼吸が、私たちの生のありようを改めて問う場となることを願う。


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アーティスト

伊東宣明《人の写真》2022, 映像(15分30秒)・インスタレーション(ディスプレイ、絨毯、クッション、アロマ)
伊東宣明《人の写真》2022, 映像(15分30秒)・インスタレーション(ディスプレイ、絨毯、クッション、アロマ)

伊東宣明(Nobuaki Itoh)

1981年奈良県生まれ。2016年に京都市立芸術大学大学院 美術研究科博士後期課程を修了、博士(美術)学位を取得。現在は滋賀県・愛知県を拠点に活動中。近年の主な展覧会に、2022年個展『人の写真/糞と花』(WAITINGROOM/東京)、2022年個展『FOCUS#4 伊東宣明「時は戻らない」』(京都芸術センター/京都)、2020年個展『されど、死ぬのはいつも他人ばかり』(THE 5TH FLOOR/東京)、2018年個展『フィクション/人生で一番美しい』(WAITINGROOM/東京)、『人生で一番美しい』(同志社女子大学ギャラリー/京都)、グループ展『越境するミュージアム』(クシノテラス/広島・S-HOUSEミュージアム/岡山)、2017年グループ展『第3回牛窓・亜細亜藝術交流祭』(岡山県瀬戸内市尻海地区/岡山)、2016年個展『アートと芸術家』(WAITINGROOM/東京)、グループ展『S-HOUSEミュージアム開館記念展』(S-HOUSE ミュージアム/岡山)、2015年個展『APMoA Project ARCH vol. 13 伊東宣明「アート」』(愛知県美術館/愛知)、グループ展『GRAVEDAD CERO』(Matadero Madrid、マドリード・スペイン、2015年)など。


今尾拓真《work with #9 (CLUB METRO空調設備)》2020
今尾拓真《work with #9 (CLUB METRO空調設備)》2020

今尾拓真(Takuma Imao)

1992年京都生まれ。2015 京都市立芸術大学美術学部 彫刻専攻卒業。音を主なメディウムとして扱いながら、都市の下部構造のモジュール的展開の延長として彫刻を喩え、建築の機能が示唆する身体の領域について制作活動を行う。近年の主な展覧会に2024年個展「work with #10 (清須市はるひ美術館 空調設備)」(清須市はるひ美術館/愛知)、2021年「奥能登国際芸術祭 2020 +」(珠洲市/石川)、2020年個展「work with #9 (CLUB METRO 空調設備)」(CLUB METRO/京都)など。



寺澤季恵《終わりの向こう側 "Shower"》2000, H200xW90xD65cm, ガラス、鉄, 吹きガラス、接着、金工溶
寺澤季恵《終わりの向こう側 "Shower"》2000, H200xW90xD65cm, ガラス、鉄, 吹きガラス、接着、金工溶

寺澤季恵(Kie Terasawa)

1997年 静岡県生まれ。2020年多摩美術大学工芸学科、2022年富山市立富山ガラス造形研究所研究科卒業。現在は金沢卯辰山工芸工房にてガラス作品制作を行う。”生命”を大きなテーマとし、彫刻やインスタレーションで表現する。主な展覧会に2025年「ARTISTS’ FAIR KYOTO2025」(京都新聞社地下/京都)、2024年個展「生生-ショウジョウ-」(Gallery O2/石川)、「Hysterik Nature」(三越コンテンポラリーギャラリー/東京)、2022年「KUMA EXHIBITION」(ANB Tokyo/東京)など。



リ・ビンユアン《In the Afterglow of Sunset》2018, H100xW159cm, Photograph of a Performance Art
リ・ビンユアン《In the Afterglow of Sunset》2018, H100xW159cm, Photograph of a Performance Art

Li Binyuan(リ・ビンユアン)

1985年湖南省永州(中国)生まれ。2011年中央美術学院彫刻科を卒業。ベルリン在住。身体的行為、映像作品、パフォーマンスを通じて、物質性、周囲の環境、概念的認識、社会的価値を探求している。これらの実践は、日常社会の社会的構造への入口として機能し、彼の実験は、都市空間から田園風景、公共空間、自然環境、または遠隔のポスト・インダストリアルな場所にまで及ぶ。自身の身体を彫刻的な素材として用い、創造的な調査行為を行う彼は、断裂や反復を通じて彫刻とパフォーマンスの交差点を浮かび上がらせる。Liの芸術実践は、空間や物質的環境を身体を通じて知覚することを通じて、私たちが生きる環境が内包する規範やイデオロギーを問い直し、乗り越えるための欲求に動機づけられている。MoMA PS1、フローニンゲン美術館(オランダ)、Museum of Old and New Art(タスマニア)など多くの美術館で作品を発表し、ニューヨーク近代美術館(MoMA)をはじめとする複数の美術館に収蔵されている。

 

近年の主な個展は《Becoming Li Binyuan》(Song Art Museum/中国・北京、2025年)、《Flowing Fire》(Contemporary Gallery Kunming/中国・昆明、2024年)、《Cinema Paradiso》(Pingshan Art Museum/中国・深圳、2020年)、《The Last Letter》(Observation Society/中国・広州、2020年)、《Li Binyuan》(HOW Art Museum/中国・上海、2019年)、《Absorb》(MU Artspace/オランダ・アイントホーフェン、2019年)、《Land: Zhang Huan and Li Binyuan》(MoMA PS1/アメリカ・ニューヨーク、2018年)、《Social Behaviours》(CFCCA/イギリス・マンチェスター、2015年)など

 

主な受賞歴はDocumentaries of Chinese Performance Art (2015),The Golden Key Award nomination at the 37th Kassel Documentary Festival (2020),The Chinese Youth Artist Award of the 14th AAC Art (2020),The Grand Prize Winner of the 17th Sovereign Asian Art Prize (2021)など。



 
 
 

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