top of page

今村遼佑「永くて遠い、瞬きする間」

会期:2021年5月14日(金) - 6月6日(日) 13:00-19:00

会期中の金土日開廊

venue:FINCH ARTS

制作風景(木漏れ日の計測), 2021


 この度、FINCH ARTSでは今村遼佑個展「永くて遠い、瞬きする間」を開催いたします。


 本個展は今村が作品制作中にふと思い出した「五月のそよ風をゼリーにしてもってきてください」という立原道造の言葉が一つのきっかけになっています。ある3月の日、この詩人の亡くなる1週間前に、見舞いに来た友人に言ったという言葉で(今村がこの言葉を思い出したのも偶然3月でした)、「非常に美しくておいしく口の中に入れるとすつととけてしまふ青い星のやうなものも食べたいのです」と続きます。そこには刹那的なものを形に留めておきたい、そしてそれと一体化したいという欲求があり、今村は「その感覚は詩人でなくとも、何かしらの表現を行う人間には共感できるものだと思います。」と言います。


 今村はこれまでも音のざわめきや光のきらめき、ほのかな香りなど(あるいは記憶というような)淡くもろい素材を用い、人間と世界の関係を模索するようなインスタレーションや映像作品を手がけてきました。それは失われゆくものへの感受性あるいは感応性を通して世界との関係を回復していく作業のようにも思えます。


 本展では、2019年5月に記録した木漏れ日、カーテンの揺らぎに合わせて差し込む光などを用いた作品、5月の景色をモチーフとした絵画の新作が発表されます。どうぞご高覧ください。


--


今村遼佑 | Ryosuke Imamura

1982年京都府生まれ、2007年京都市立芸術大学大学院彫刻専攻修了。日々過ごすなかで記憶に残ってくるものや、ふとした気づきを元に、ものごとの確かさと不確かさを探求するような作品を手がける。近年の展覧会に、個展「いくつかのこと」(Finch Arts/京都、2020)、「みえないものをみる」(MA2ギャラリー/東京、2020)、個展「そこで、そこでない場所を」(eN arts、京都、2018)、個展「雪は積もるか、消えるか」 (アートラボあいち、2018)など。16年よりポーラ美術振興財団在外研修員として1年間ポーランド・ワルシャワに滞在した。


過去の展覧会



展示記録

撮影:前谷開

Photo by Kai Maetani

撮影日:2021年5月14日


©Ryosuke Imamura, Photo by Kai Maetani, Courtesy of FINCH ARTS

bottom of page