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たかくらかずき「おやすみ僕らの 夢の残飯」

会期:2023年6月30日(金)- 7月16日(日)

会期中の木金土日開廊

※本展に限り、木曜日もオープンします。

13:00-19:00

Venue:FINCH ARTS

Artist:たかくらかずき

タイトル原案:西岡春彦


オープニング・レセプション

6月30日(金)17:00-19:00

作家が在廊しますので、お気軽にお越しください、




  この度FINCH ARTSではたかくらかずきによる展覧会「おやすみ僕らの 夢の残飯」を開催いたします。たかくらは東洋思想や日本的な信仰における、物質ではないが存在すると信じられるもの(魂や妖怪など)を「デジタル上の存在」に極めて近いものと捉え、AIによる画像生成、ビクセルアニメーション、3Dプリント、VR(仮想現実)、NFTといったデジタル技術を用いて表現する作家です。本展では、中国山水画の様式的影響から、室町期の禅宗社会で大きく華をひらく日本的な山水画をモチーフとした新作のドローイングを発表します。 また本展の展覧会タイトル「おやすみ僕らの 夢の残飯」は、2023年にNEORT++(東京)で開催された個展のタイトル「みえるもの あらわれるもの いないもの」の下句となっており、AIを用い「存在しない存在」としての新しい無数の「妖怪」をNFTとして生成し話題となった前展に続くものです。どうぞご高覧ください。


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「おやすみ僕らの 夢の残飯」


少し前にTwitterでファミコンや古いアーケードゲームのドット絵を描いていたドッターの方が、方眼紙に色鉛筆等でドット絵を手描きし、それをコンピューターに1ピクセルずつ模写していたという話をされていて、そのときの原画を掲載していた。なんとも美しい手描きのブレとマス目の制約の織りなす画だった。


そのときふと考えたのが『ドット絵』のことを語るために遡ると必ず話題に上る伊藤若冲の『鳥獣花木図屏風』のことだ。あまりにも有名なこの作品は、若冲が西陣織の図案から着想を得て『桝目描』というドットを手書きする技法を考案したとされている。この絵はよく見るとしっかりドット状に描かれている箇所と、全くマス目を無視した筆線の箇所がある。千葉市立美術館でこの絵と対面した時、なんとも気まぐれな絵だなあと思った。


機械の進化は止まらず、AIは完璧なピクセルコントロールを駆使して人が描くような味わいまで描こうとしている。つい先月に東京で行った個展『みえるもの あらわれるもの いないもの』では、鑑賞者が選択した 5・7・5の句から、私の絵柄を学習したAIによって80x80pxのドット絵の妖怪を生み出す展示を行った。


今回の展示は、前回の展示でAIによって出力された妖怪を私の手によって描き直す展示となっている。これは人間とAIの関係性を揶揄した皮肉のように捉えられるかもしれないが、けっしてそうではない。純粋に人とAI(機械)が共同してひとつのものを作ることを追求したい、と考えたどり着いた方法だ。AIの想像力と人の想像力は、本来並列的なものなのではないだろうか。糸を布にする織機と、それを動かす人間が並列的なものであるように。


西陣織の時代から現代のコンピューターに至るまで、完璧な0・1を制御する機械たちと、それがうまくできない私たちの手。その歪みによって生まれる妙な味わいを作ってみることはできないだろうか。相互が溶け合うように。


みえるもの

あらわれるもの

いないもの

おやすみ僕らの

夢の残飯



たかくらかずき


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たかくらかずき|Kazuki Takakura

アーティスト。山梨県出身、1987 年生まれ。東京造形大学大学院修士課程修了。3DCG やピクセルアニメーション、3D プリント、 VR、NFT などのテクノロジーを使用し、東洋思想による現代美術のルール書き換えとデジタルデータの新たな価値追求をテーマに作品を制作している。現在はおもに日本仏教をコンセプトに作品制作を行う。京都芸術大学非常勤 講師。opensea で NFT シリーズ「BUSDDHA VERSE」を展開中。演劇集団『範宙遊泳』アートディレクター。山梨県 市川三郷町ふるさと大使。



おもな展示履歴

2023 年 個展『みえるもの あらわれるもの いないもの』 NEORT++

2023 年 個展『メカリアル』 @ 山梨県立美術館 / 山梨県立美術館メタバース

2023 年 グループ展『UTSUTSU - A LIMINALISM OF JAPANESE CONTEMPORARY ART』@boston pellas gallery

2023 年 『Artist Fair KYOTO 2023』サテライト展示 @千丸屋京都本店

2023 年 企画展『アートは魔術 / ⼟⾊豚 選抜展』 @日本橋アナーキー文化センター

2023 年 企画展『名画の旅 江戸から現代まで』@足利市立美術館

2023 年 『ZONAMACO』YOD Galleryより出展 @MEXICO

2022 年 『Art Collaboration Kyoto』Finch Artsより出展

2022 年 個展『仮想大戦 ( 銀 )』 @YOD TOKYO

2022 年 個展『仮想大戦 ( 金 )』 @YOD gallery

2022 年 NFT 展『仮想四畳半』をキュレーション @wa maccha 京都祇園

2022 年 ART FAIR TOKYO YOD gallery より出展

2021 年 個展『アプデ輪廻 ver4.0 天国・地獄・大地獄』 @ 代々木 TOH

2021 年 バーチャル個展『アプデ輪廻 ver2.0 デジタルデータの実家』 @ オンライン

2021 年 ARTIST FAIR KYOTO に出展

2020 年 ONE PIECE『バスターコール展』に出展

2019 年 アルスエレクトロニカ (startbahn ブースより出展 )

2019 年 グループ展『TOKYO2021』に出展 @ 戸田建設ビル

2017 年 個展『有無ヴェルト』 @Guardian Garden

2017 年 金田遼平との二人展『Box/Ring』 @ 新宿眼科画廊

2016 年 梅沢和木との二人展『卍エターナル・ポータル卍 輪廻 MIX』 @mograg gallery

2016 年 瀬戸内国際芸術祭グループ展『鬼の家』に出展 @ 女木島

2016 年 企画展『ピクセルアウト』をキュレーション @Pixiv zingaro

2012 年 『Recruit 1_WALL ファイナリスト展』に出展 @Guardian Garden

2010 年 個展『たかくらかずきのここで装備していくかい?』@mograg gallage

2009 年 個展『たかくらかずきうちう逆回転』@Laforet 原宿 1F Wall art scene


展示記録

©︎Kazuki Takakura, Photo by Haruka Oka, Courtesy of FINCH ARTS

Date:6/July/2023

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